廃道・廃線レポート ~国道145号旧道・吾妻線旧線区間 [7]~
旧道復帰
さて, 例のバリケードを超えて旧道へ復帰した僕たちである.
例の左分岐から帰ってきた形になるが, 今度は
例のこの道を右に曲がらず, 直進していく. しばらくすると旧道は再び突然現れる.
そして, 先ほど通った旧線のトンネルに沿って旧国道を進む. この先はしばらく綺麗な道だ. ストリートビューの景色との差もあまりないだろう.
この右に続く道は例の, 橋へ続く道だ.
この辺は右側の蔦が生い茂りすぎて, 道を通る分には四方が緑に囲まれており, 綺麗な景色だ. そして, ここからは
二本目のトンネルが見える!! 鬱蒼とした蔦が道路まではみ出ていて綺麗.
標識の位置的に
こんなところだろうか. 2012年8月のもので同じ月に撮影されたものだが, 草木の借り入れが行われないだけでこんなにも変わってしまうのか. 当然同じ景色とはわかるが, なんだか雰囲気が.
この辺りはすごくきれいだったので, 脳死で写真を撮りまくってしまった…っと,
奥におにぎりがついたポールがある! ということは先ほどの
この標識はあれについていたんだな? ストリートビューに残っているといいな. 落ちてた標識のきれいさからして, 前から落ちていたということはあるまい.
正解は
背向屈折あり, の警告標識. 標識の方向をすっかり勘違いしていたせいでわからなかった(低脳).
でも,
40km/h標識見えたか…?
なさそう. 手前に盛り上がった蔦が見えるが, これは速度標識の位置とは一致していないように思える.
そして, もう一つ気づいたことがある, というのも
勾配標と制限解除の鉄道標識である. これはトンネルを歩いていた時に気づかなかった, というか間違いなく見かけていない. 廃止時に目につく標識の類はすべて取っ払ってしまったのだろうか. あ, でも勾配標があったところ, 心なしか盛り上がっているように見える…
綺麗な下り坂で自転車を飛ばしていきたいところではあるものの, とにかく写真に残す必要があると, 躍起になって自転車を止めては写真を撮った.
振り返って写真を撮る. もう少し天気が良かったらとは思うが, 綺麗である.
久しぶりに現れたトンネルだが, もちろんここも水面下となる. とはいえ湖底よりはそれなりに高い位置にあるため, 洪水期で水位が下がったときには姿を現し, きっと湖底土砂もそこまで入ってくることはないだろう.
落石を謳う割には落石もなく, 綺麗な道だった.
このあたり, 現道からこの道へつながる道は見当たらなかったのだが, このようにバリケードを執拗に設けるのは何が意味があってのことなのか. それとも僕らみたいな連中が来るのを見越している?
そういえばストリートビューで見てみるのを忘れていた.
廃止されてからのほうが美しく見えるのは気のせいだろうか? 「トンネルの不自然さ」が不自然ともいうべきか, ボーっと口を開けている様子がいい.
場所が変わらないので, 特に何も言うこともなく写真だけ貼る.
少し進むとカーブがあり,
この感じもすごく好き.
そこを抜けると,
カーブの奥にとても怪しげな岩の堤が見える. そして, 嫌な予想は的中し,
ぶち当たってしまった.
左を見ると,
凄い水が. そして, 流れているところがどこかというと, 形を見ればわかる通りトンネルのアーチである. トンネル内ではどこと一致するかというと,
この変な覆い部分である. つまりこの覆いは漏水防止のもの? 外から見てトンネルがボロボロなように見えるが, こんな覆いでトンネルの崩壊を防げるとは思えない. セントルで支えているようにも見えないし. 内側に作られている時点で漏水はしてるけど, 滴らないよってだけの誤魔化しにしかならないような気もするが. にしてもよほどの漏水である. 漏水が流れていく用の溝も作られているし. いやしかしそれよりも衝撃的なのはやはり,
これだ.
隔絶
ガレ場を上ること自体はそんなにつらくなかった. 自転車も軽いし. どの程度の高さまで上ったのかというと,
トンネルと同じくらい, つまり旧線と同じ高さである.
トンネル側の斜面を見ると, 大きく土砂崩れを起こしていることがわかる.
トンネルの坑口前が
このようになってしまっていたのもうなずける. ただ, この景色からあのような土砂を人工的に堆積させた土地が広がっていることを想像できるだろうか.
反対側からトンネルを望む. 奥にもトンネルが見える. 手前には大きな落石が大量に.
落石はかなり広範囲にわたっているようだ. トンネルの坑口も土砂崩れを起こしているし, この右側の斜面はかなり地盤が緩いのだろう. 証拠に
この崩れ方である. ここだけ蔦が斜面下に生えている. 頻繁に土砂崩れが起きているのだろう.
どのくらい積もっているのかがよくわかる写真だ. 写真中央下, 石垣の法面が埋もれているのがわかるだろう. 1個前の写真を見れば, 石垣の高さがどれくらいあり, どれくらい落石, 土砂崩れで埋もれているのかがよくわかる.
吾妻川を望む. 結構な高さがあることがわかるだろう.
奥だけ見れば美しい景色なのだが, 撮っている場所が場所なので, なんとも言い難い気持ちだった.
ちょっと進むともうこんな景色である. 右上, 木が傾いており, 倒れるのも時間の問題だろう. 水面下に沈んでしまうとはいえ, なんとも言い難いものがある.
ほら, トンネルの上を流れる水を流す溝. この先からがブチ切られたところだな.
こんな景色だったのか…, 正面の特徴的な岩を目印に見れば, どれだけ土地に手が加えられているかわかるだろう.
旧道旧線再び
しばらく進むと道, 線路(だったもの)は再び姿を現す.
旧線が高い位置にあって, 旧道は低い位置にあったのだった. つまり…
1枚目の正面に見える道は, 旧道ではない. 「旧線」跡だ. とうとう枕木まで取っ払われてしまった…
2枚目の右端に見える茶色い平場は整地された後だろう.
旧道に降り立つ.
後ろはこんな感じ. 先ほどの平地の様子など全く見えない.
この景色とストリートビューを一致させよう. 前方の標識に合わせると…
ここらへんだな! 少し見えづらいから見えやすい場所に移動して, 川を望んでみよう.
まだ鬱蒼として見えづらいが, 今の景色とどれほど異なっているかは言うまでもない.
さ, もう少し進もう.
道は開け, 不動大橋のすぐ下だ. カーブミラーが外れている. そして奥には撤去されたガードレールのまとまりが. なんかレアな光景では? と思ったらそもそも廃道がレアな光景だった.
ここは歩行者用通路らしい. 蜂に刺されずして通れることがあるのだろうか…
交差点跡のようだが, ストリートビューと比較してみよう.
道路が少し砂利っぽい以外に, 思ったほど廃れた様子はない.
そして, 歩行者用通路は現役時から変わらずなのだった…
実はここ, 現役時に親に連れられて通った記憶があるような気がするのだ. 川原湯温泉から長野原草津口方面へ, ストリートビュー的に見れば向こうからこちら側に通り抜けた覚えがあるのだ. 不動大橋をくぐっていくときの, 右側に広がる高い法面を見た記憶, そのとき, ここが八ッ場ダムのサイトだと親に言われた記憶.
交差点に達したところで今回はここまで.
次回は
こんな何世代もの橋を望み,
動物に遭遇してしまうかもしれません.